副会長のつぶやき その5

~責任ある行動をとってほしい~

ディーラーに予約を入れると1カ月先は当たり前?!

ディーラーに作業予約を入れ、日程予約が1カ月先と言われたり
今、忙しいから預かれない、と当然の様にお断りされた経験はありませんか?
その間、本来は精算出来たはずのレンタカー代が発生してしまう、お客様にも納車出来ない。
保険金の支払いが増えれば、我々個人の保険料増にも繋がりかねない等
といった悪循環が生まれている事を皆さんはどう、感じますか?
悪循環を常態化させている現状を危惧しており、警鐘を鳴らしたく思いました。
先日 弊社にダイハツのロッキーという車が代理店の紹介にて鈑金入庫しました。
車両年式は令和4年9月と新しい車です。
事故により左後方に大きなダメージを負った車両でした。
車両保険にて、修理も後半戦に突入したところで
「ブライドスポットモニタセンサーユニット」となる部品が壊れており
交換が必要だと分かりました。
この部品は後方から直進してきた車両が自分の死角に入った瞬間
ドアミラーへ信号を送りドライバーへ後方車が来ている事を知らせるといった役割を持っています。
昨今の先進装備の車には比較的「あたりまえ」に装備されている機能でした。
部品交換すると車両に、新しい部品がついていることを認識させる必要があります。
この作業を「エーミング」「キャリブレーション」と呼んでいます。
未完了のままでは機能が働かないどころか、他のエラー表示も出て悪影響を及ぼします。
弊社は「完全修理」を念頭に置き「特定認証制度の資格取得」もクリアし
同業他社様に先駆け、エーミング作業までを自社内にて一貫して行っています。
各ディーラー様へ預ける時間を省き、高効率に繋がる結果を生んでいます。
しかしながら、時に別の角度から困ったことが起こります。
メーカーの中にはまだまだ「資料情報公開」をしてくれないメーカーや
弊社で作業が出来ない(資料がでていないため)ため「ディーラーに予約をいれなくてはならない」
スキャンツールのバージョンが追い付かない為、「ディーラーへ頼まざる負えない状況」に
なる場合があります。
今回のロッキーもまさにそうでした。自社のスキャンツールでは作業出来ない車種でした。
早速ディーラーに頼んだところ
本社からツールを借りる・そして作業するとなると
車預かりは「7月26日」との回答でした。(依頼日は7月5日)
視点を変えダイハツ車ではありますが、トヨタにても同車種を名前を変えて販売している事に気づき、
トヨタにも早速依頼しましたが、「他メーカーは資料が公開されていない為引き受け出来ない」
との回答でした。
私が個人でそれぞれの資料を確認した所、ダイハツ・トヨタに説明の違いはあるが、基準数値等の中身は一緒でした。
言葉の表現が正しいか定かではありませんがエーミング作業依頼において「急いで引き受ける」
「自社で開発した装置に責任をもって優先して引き受ける」といった姿勢をディーラーから感じた事はありません。
我々が安全装置のついている車両の完全修理に尽力している水面下では、
「ディーラー」では直ぐ引き受けてくれないことが当たり前、予約は何週間も後といった事が
起きている現状を皆さんはどう考えますか?
批判をしたいわけではありません。なぜこういった循環になるかを見つめなおすきっかけになればと思ったのです。
他のご意見も勿論あると思います。
労働環境やコンプライアンス、ライフワークバランスと多くを個店・経営者様がより多くの責任を求められている厳しい環境下において
それぞれの視点において、完全修理にむけて責任ある行動とは何かを深く考え直し、改善していかなければならないと私は強く思います。


株式会社 但野鈑金塗装工業